よくばり
二世さんがポテリと即寝した夜中。
じゅにあさんが、お茶を飲みたいと言い出しまして。
まーたいてい寝たくないからこその詭弁だったりするのですけど、
一人ならまー対処できるか?・・・と、ちょっくら付き合うことに。
リビングの明かりは消したまま。
台所だけ点けて、あくまで『飲んだらすぐ寝ますよ』アピール。
案の定まだ寝たくないボウズだったじゅにあさん、
お茶を入れたコップの下に、コースターを敷けと言い出しました。
選ばせてあげようと全部見せたら・・・
アンパンマン柄のコースターは、全部使うんだって(笑)。
バイキンUFO柄のコースターを手元に置いて、上にコップをドンッ。
コップ退けて、上からジャムおじさん&バタコさん柄のを置いて、コップをドンッ。
またコップ退けて、その上からメロンパンナちゃん柄のを置いて、コップをドンッ。
三度コップ退けて、アンパンマン柄のを置いて、コップをドンッ。
何枚積むのよ。
じゅにあのコップ、笑点で大ウケしたみたいになっとるがな。
あのね〜じゅにあ。
気にいってくれるのはありがたいけども、それって『よくばり』よ?
これひとつでいいわ、これだけあればじゅうぶんだわー・・・ってのが
日本人の美徳なんですけど。お分かり?
「ん〜・・・じぇんぶ、いる!」
はいはい、わかりましたってばよー。
分かったから、飲んだら寝るで。
グズるじゅにあをリビングに放置して、寝室に引き上げましたところ、
しぶしぶこちらに参られました。
ほどなくして・・・予想の通り、ぽってりと就寝。
聞こえてくる、安らかな寝息。
静かな、晩秋の夜中に。
じゅにあの、サイクルの短い寝息と。
先に寝た二世の、ちょっとだけサイクルの長い寝息と。
寝たフリだったハズがウッカリ寝てしまった、相方の落ち着いた寝息と。
タイミングの全然合わない、しかし至高の三重奏。
この寝息。
・・・全部、私のじゃ。
誰にもやらぬわ。ムヒヒ。
あら?
じゅにあに負けず劣らず、私も『よくばり』ってことか・・・?
どれかひとつだけで満足とか、できるわけありまへんがな。
美徳なんか知ったこっちゃないッスわー。よくばり上等。