其れは禁断にほど近く
ふと、思い出したのですけど。
ホテルで働いていた頃。
いろいろなホテルやレストランに、呼ばれて行っていました。
割とよく呼んでくれる、日本料理のレストランがあって。
バックヤードというか、厨房の隅を通って、店内へ行くのですけども。
途中で、乾物や食器を置いてあるスチール棚があるのです。
あたたかみのある土物のお椀。
彩りのよい磁器の平皿に並んで。
ひっそりと、だけど、どことなくうやうやしく。
茶色の小ビンが置いてありました。
- 出版社/メーカー: 京都錦市場 珍味の喜久屋
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松茸香料。
(※見た目はこんな感じだったけど、メーカーは違うかも知れません)
【香りまつたけ味しめじ】なんて言われるからには、
このちっぽけなビンこそが、高級食材・松茸の真髄であると言えるでしょう。
閉じ込められた目に見えない成分は、エントロピーが増大し始めたが最後
何百人を魅了するに違いなく。
末端価格で考えたら一体いくらになるんだーーーなんて。
横を通るだけなのにちょっと緊張した思い出。