買う理由
服と言えば・・・の話。
お盆に実家に帰った時にですね。
母上と、イオン行ったついでに服買いに行きまして。
お義父さんからもらった株主優待券の使える店が
ちょうどテナントで入ってたからなんだけど。
最近、だんだん自分に似合う服が分かってきて。
昔と比べると断然、ひとりで服買えるようになったのですけど。
誰かと一緒に行くなら行くで、それもまた心強いものです。
コレいいかもー?うーん、着たらイマイチ。
こっちはデザイン好きだけど、自分に似合う色じゃないなー。
この形は多分だけど似合わない・・・あーやっぱりな〜アハハ。
着るにしろ、胸の前で合わせるだけにしろ、
あーだこーだと感想を言い合うだけでも、自分がレベルアップしてるのが分かります。
昔は何着たって『・・・分からん』って言ってたもんなー私(汗)。
母上との意見も、それなりに合う感じ。
意見が割れるのは、『着せたい』VS『着たくない』のパターンぐらいです(笑)。
うん、ごめん、私コレ、買ってくれても絶対着ないわ♪
そんな中。
1着だけ、妙な意見の割れ方をした服がありました。
「ん〜・・・着れなくないけど、特に似合いもしないねコレ」
と、私がワゴンの中に戻した服を、
「・・・そうね・・・特にいいとは思わないけど・・・」
って、手に取るんだよ。母上。
「えっ?
いや・・・私に似合う?コレ。
私としては、着ても着なくても一緒ぐらいの服なんだけど・・・?」
「・・・うん・・・・・・そうね・・・・・・
・・・
・・・でも・・・買えば・・・・・・?」
って。
えええええ?どゆこと??
反応からして、私に似合う服だと思っている訳ではなさそう。
でも、買えと。
私に、似合わない服を、選んで着ろと。
そう主張しているのワケですよ、この母は。
・・・何?
私・・・嫌われてる・・・?(汗)
と一瞬思うものの、やっぱりそういうワケでもなさそうで。
だって、ものすごくイヤそうに言ってるもん母上。
似合わない服をコイツに着せてやろうウヒヒ、だなんて企む人は、
『とぉ〜っても似合うよ!絶対買うべき☆』とウソをつくハズ。
娘が、似合わない服を着るのは、イヤ。
でも、買えと言う。
えぇっと・・・
・・・
・・・もしかして?
「あのさ母上?
好みでもない安い服で、タンスを満たさないと不安なほど、
いまの世の中はモノがないワケじゃないよ?」
「!!」
「このモノであふれかえる時代、
好みじゃない服がタンスをふさいでるより、
その分スペースが空いてる方が、よっぽど価値あるよ?」
「 」
なんか、つきものが落ちたよな顔してた。母上。
当たった。正解だった。
考えてみれば母上は、戦後の生まれ。
末っ子でかろうじて戦時中こそ体験していないものの、
母上を育てたばーちゃんは戦後の物資の無い時代、ずいぶん苦労したのだろう。
特に自分を引き立たせてくれる服でなくても。
似合わない訳でないのなら。及第点であるのなら。
タンスに入れておかなければ、次に及第点の服と出会えるのは
いつになるのか分からない不安。
蓄えておかなければ、似合わないものを着ることになる、不安。
それが
『似合わない・・・けど、買えば?』
なんだ。
「おかん。
・・・いらんやろ?」
「・・・うん」
「買わへんで?」
「うん。」
その服は、ワゴンの中へと戻っていったのです。
多分アレだなー。ワゴンの服だったのも一因なんだろな〜(苦笑)。
似合わなくて定価の服ならたぶん母上もスルーなんだけど、
安くて着れる(着『れる』ってのがポイント)なら似合う似合わないはともかくとして
安牌として確保、ってのがルーチンなんだろな〜母上の。
そんな母上を見て育っているので、最近よく聞く
【悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけ】
ってのも、後半しか実践できないチキンです(笑)。