いけずズ
ウチの男どもは、実にいけずである。
二世は、パパが大好き。
パパも、二世が大好き。
なのに…お互いにいけずし合っちゃって、訳分からんコトになるのです。
夜寝るときには、パパにおやすみなさいのチューをするのが
ここ半年ぐらいの恒例行事となっております。
私と二世は一緒に和室、パパはリビングで寝てるからねー。
寝るときにはふすま閉めて区切っちゃうから、そのときごあいさつします。
別室に分かれるタイミングのあるパパにはチューがあって、
そのタイミングのない私にチューは無いのですけどね…くそう…。
…まぁ、それはともかく。
ある晩のこと。
「じゃぁ二世、パパにおやすみのチューしよっか〜?」
「いや!!」
突然、二世が反抗を始めたのです。
とはいっても、視線はずっとまっすぐパパに。
表情は、ニコニコとても楽しそう。
遊んでます。100%遊んでます。ただのいけずです。
ガックリするパパが見たいのです。
「…じゃーパパも、イヤ!」
パパ、張りあう。何と大人げない!
ぷいっ、とスネて横を向いています。
「じゃーねー、二世クン、バイバイ〜。おやすみ〜」
パパがダメ押しするも、二世もいっしょにバイバイと手を振ります。
ニッコニコです。
そのままお互い手を振り合いながら、パパはゆっくりとふすまを閉めました。
ガラガラガラガラ……どんっ。
ふすまが閉まりきった瞬間。
二世が素の表情に戻って、
『…パパ、ぼくチューしてないのに、いっちゃった…』
てな目でこっち見るの。
あんた阿呆ですかい。
意地張るからやないの。
ママいっつも言ってるでしょ〜?
『好きな人にはやさしくしようね。いけずしたら悲しい目に会うからね』
って。
ホントあんた、パパと行動パターン一緒ね?
損するからやめなさいって言ってるのに。二世にもパパにも。
はーい、パパ〜、戻っておいで〜!
今度はちゃんとおやすみのチューをして、事なきを得たのでした。
よかったね、二世。そして…よかったね、パパ。
ふすま閉めた後でほんのちょっぴりガックリしてるのが
もう目に浮かぶんだから。
ウチのおとこどもは、ほんにあほうである…!