わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

死人にツッコミ

先日の伯父の四十九日での話。




伯父は私の、父の、姉の、旦那にあたる人物。
なので私たちは、嫁(伯母)側の親戚ということになるのですが。



法要ともなると、初めて会う、伯父側の親戚がたくさん居る訳です。



お通夜・お葬式には新型インフルのせいで出られなかったので、
四十九日ではたくさんの初見の方々にご挨拶しました。
正直、名前覚えられる気がしませぬ。



その、初見の親戚の中に。
“みどりちゃん”という方がおられまして。



“みどりちゃん”。
親ぐらいの年齢の人を“みどりちゃん”と呼ぶのもおかしな話ですが、それはさておき。
伯父や伯母の話の中にしょっちゅう登場するのですよね〜、この“みどりちゃん”さん。
なので、お会いした瞬間思ったのです、


(あー、この方が、話によく出てくるあの“みどりちゃん”かー)


って。



ところが…どうやらそれは、向こうも同じだったらしい。



「あー、たけちよちゃんって、あのたけちよちゃんね?
 ○○さん(伯父さんの名前)から、よく話には聞いてたのよー」



と。
“みどりちゃん”さんは、通常のはじめましてよりはちょっぴり親しみを込めて、
私に笑顔を向けてくれたのです。





…正直、ね?



正直、意外でした。



伯父が、あっちの親戚に、私の話をしているってことが。



だってね?
伯父ってさ。



甥・姪の中で、唯一異性である私を、どう取り扱ったらいいか分からないでいるフシが、
少なからずあったんだもの。



伯父には子供がおらず。
子供と触れ合う機会なんか全くないような職場で過ごし。
従兄弟や弟たちとは、言うても男同士、自分の過去に照らし合わせて理解ができましょうが、
子供でさらに異性である私って、どーにもとらえるのが難しかったんじゃないかと。
また、甥5人に対して姪は私ひとりなので、多少おざなりにしてもまぁ、何とかなる。
(私としては、男の子の遊びは好きだし、自分ひとりだけ伯父に遊んでもらえないのは
 とても悲しかったので、同じように接してもらいたかったのですが…)



大人になってからも、別にフツーに話もするし冗談も通じるんですが、何というか…
『うっかり傷つけてしまった時に修復できる気がしない』的な感覚があったのかなぁ?
常に、どこか、数cmだけ下がったような距離感を、なんとはなしに感じていたのです。
弟たちにはない距離感を。



だから。
伯父は、こちら側の親戚以外の人に、弟や従兄弟の話をすることはあっても、
私の話はしないのだろうと。
私と一緒に楽しく過ごせても、その場のことを他で話すほどには
楽しんでいないだろう、と。
私は、そう思っていたのです。



思っていたのですけど。



伯父は…、伯父は……
少なくとも“みどりちゃん”の記憶に残るぐらいには、私の話をしていた。



(そう、だったんだ…)



このときの“みどりちゃん”の、数秒足らずのセリフは、
私がとらえていた伯父という概念を揺るがすのに十分だったのです。
一瞬、ほんのこの一瞬、揺れを感じ、気づき、受け止めているまさにこの一瞬。



…よもや。
続く言葉に。
まださらに、揺るがされることになるだなんて。






「あー、たけちよちゃんって、あのたけちよちゃんね?
 ○○さん(伯父さんの名前)から、よく話には聞いてたのよー。


















 バイトの帰りにチカンに襲われて
 畑に連れ込まれて押し倒されたけど
 無傷で生還した、あのたけちよちゃんよね?」










伯父(オッ)さん、何の話しとんねん。










「そうですよー♪そのたけちよでっす。
 身体と身体の間にヒザさえ入れば、後はうりゃっ!って
 足の裏で追いやって、引き剥がせるんですよ〜♪」



って言っときました。言うしかないやろ、もうコレは(笑)。



ちなみに、すべてぢぢつです。
あぁ、あぁ…確かにやったし確かに話したわッ!もう!もう!!