わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

もくてきをみうしなう

久しぶりに、きなこクッキーを焼く。



コンロの近くで常温に戻したマーガリンを、泡だて器ですり混ぜる。
泡だて器の中に入り込んでしまうのを何度も叩き落しながら、
少しずつ砂糖を加え、ひたすら混ぜ続ける。
腕が重い。体も熱い。
それでも、根気よく、泡だて器が軽くなるまで混ぜ続ける。
ここでの頑張りがクッキーの食感を左右すると自分に言い聞かせ、妥協は許さない。



溶き卵を、少しずつ混ぜる。
分離しないように、でも混ぜすぎないように。
更に、ふるっておいた粉類を投入。
3分の1ずつ、ゴムベラで切るように、さっくりと。
混ざりきる少し前に次の粉を加え、できるだけ混ぜる回数を少なく。
練ってしまうと固いクッキーになってしまうのだ。



まとまりきらない生地を半分に分けて、ラップで細長く包み、冷凍。
休ませている間に夕飯に取り掛かる。



夕飯の後、冷凍庫から生地を取り出し、5mm幅に切る。
余熱の終わったオーブンに入れ、15分焼く。



焼き上がり。試食。
さっくり、ほろりと崩れる。うん、良い出来。
頑張りが報われたことを実感する。安堵。達成感。
噛み締めるように、ひとつ。またひとつ口に運ぶ。



手が進むにつれ、余韻を残し徐々に薄れていく達成感。
同時に、頭をもたげる当初の予定。



…えーっと…私、確か……



もっと固くてゴリゴリのクッキーが食べたくて作り始めたような気が…?



手ぇ抜いて作りゃぁ希望のものが手に入ったハズなのですが…
作り始めたらすっかり忘れて、真剣モードで挑んじゃったんだなぁ、私…。
でもゴリゴリのクッキー焼いちゃったら、それはそれですげぇ悔しいんだろうなぁ。
(どないせいと言うのだ)



もしかしたら、レシピのチョイスがそもそも間違ってねぇか?
ピーナッツ入りのヤツとかにすりゃぁ、ボリボリ美味かったんじゃん。



どうしてこうなっちゃったんだっけ…?



目の前の、さっくりほろりと上出来きなこクッキーの山を、
不思議な心持ちで見つめるのでありました。