わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

速さと時間と距離

突然、数学教育の話。



えっとですね…『はじき』って覚えてます?
マルの中に、Tの線を引いて、左下から順に反時計回りに
は、じ、き、って入れるヤツ。



知らない方も居るかもしれませんねー。
コレ何かって言うと、『速さ』と『時間』と『距離』の関係を、
カンタンに計算式にできるマッスィーンなのですよ(マッスィーンか?)。



は、が『速さ』。
じ、が『時間』。
き、が『距離』。



求めたいところを隠すと、残ったものの位置関係で
どんな計算式を立てればよいかが一目でわかってしまうスグレモノなのです。
となり同士なら掛け算。上下の関係になっていれば、分数なので割り算。



速さを求めたければ、距離÷時間。
時間を求めたければ、距離÷速さ。
距離を求めたければ、速さ×距離。



ぃや、今更使わなくたって解りますけどね私ッ!?(汗)
この年齢になれば感覚としてわかってくるものですからッ!(強調)
小学生が算数の時間に学ぶものとしてお考え下さい、それはもうっ。



ぇっと、話を元に戻します(汗ぬぐいつつ)。
この便利なマッスィーンなのですが、当時コレを教えてくれた担任の先生は、
この教え方には否定的だったんですよね〜。



原理を抜きにした考え方だから。



確かにこのマッスィーン一つあれば、式を立て間違えることはありません。
テストで点を取るのは容易になるでしょう。
ただし、速さと時間と距離の関係を、実感として理解するのには、
逆に障害として機能してしまう。



「どうしても、どうしても覚えられないヤツだけ、『はじき』使え」



担任の先生は、そういって教えてくれました。



担任の先生以外にも、この教え方には否定的な論調が多いようで。


「意味も解らず点数のためだけに『はじき』なんてやらせる教育で、
 生きた知識として数を扱えるようになるのか」


なーんて言われてるみたいですね〜。
最近何かよくこの論調を目にする機会に恵まれまして。
今日家事なぞしている最中、ぐるぐると頭の中を回っておったのですよ。
ボランティア行ってた時にも聞いたよな〜、そーいや。



確かにそうです。
テストのための学問ではいかんのですよ。
算数なんて、使えてナンボ。同意同意。



…と、思うのですが。





使ってもいいんじゃね?




以前相方が、大学の専門の授業をして言ったのですよ。



数学は積み重ねって言うけど、一度途中でつまづいても
 授業はどんどん進んでいく。


 じゃぁ、つまづいた箇所以降のことは全然解らないか、っていうと
 結構そうでもない。
 解らないんだけど、解らないなりについていこうとする。


 そうやって解らないままどんどん進んでいくと、昔つまづいた所って
 今と比べると簡単だから、気がついたらできるようになってる。


 結構、そういうトコあんで」



って。
『はじき』のある算数の範囲からは外れてしまっていますが、
実感に基づいた話なのでかなり説得力があるんだよなぁ。



言われてみればこの考え、間違ってはいないはずなのですよ。
そうでなければ、ずっとテストで60点を取り続けるなんてできないはずだから。
解らなくなったところを境に0点が続くはずなのですよ。本当に完璧に積み重ねなら。
でも、そうじゃないでしょ?
60点を100点にしたいならつまづいた所に戻らないとキビシイけど、
解らないながらもついていけるからこそ60点を維持できる。
分数の割り算でつまづいたって、中学…最悪高校生になれば、
原理はわからないながらもとりあえず扱い方だけは心得て、使いこなして、
その結果60点取ってるハズなのですよ。



だからさ。
『はじき』使うことで、目の前の単元を危なげながらもこなせるのであれば、
それは有用だと思うのですよ。
そのとき感覚として解らなくても、大人になるまでには絶対解るようになるから。
目の前さえクリアできるのなら、苦手意識も芽生えないし。
式立てるのにも計算するのにも、一切解らないまんまよりは、やれる分慣れるでしょう?
いいじゃんそれで。



という訳で。
たけちよは、原理を抜きにして覚えるためだけのマッスィーンの存在に、賛成。
現に、昔マッスィーンに頼ってた私でも、今は頼らずに感覚で扱えるようになってるしねー。



…なんて、教員免許持ってる訳でもないのに考えてみましたとさ。
別にだからどうって事ぁないです。ゴメンね。