わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

目指すは両の神

『捨てる神あれば拾う神あり』



得てして


『捨てられて悲しい思いしてたけど、幸い別の人に拾ってもらえたよ!
 こんなこともあるモンだねー、有り難い!』


みたいな状況の時にばかり使われがちですが。



ふと、思ったのです。
このことば…



捨てる方も『神』って言ってるんだよね。



拾うばかりが『神』ではないんだよね。
捨てるも『神』だし、拾うも『神』だって言ってる。
ちゃんと慣用句には残ってるのに、いつのまにか
拾う『神』ばかりにスポットが当てられていなかったかなぁ?



いつのまにか…って言うより、あの頃からなんだろうけど。
あの頃っていうのは、使い捨て文化じゃいけないって気づいた、あの頃。
ムダ遣いは罪悪、捨てることはもったいないこと、
持っておきましょう、工夫すればまだまだ使えます…って。
そしてその反省は猛省だったから、繰り返し、繰り返し、
みなの心に叩き込まれて。



捨てるは『神』から、『もったいない』になってしまった。



私なんかもまさにその洗礼をガッツリ受けたクチで。
捨てることとムダ使いには、徹底的に罪悪感を叩き込まれました。
ティッシュ1枚使うのにだって、ほんのり胸が痛む始末。
…同時に、ささやかな解放感があったことも否めないけど。



捨てることは、もったいないこと。
でも長きにわたるこの呪縛に、風穴が明けられる時がきた。
そう、それが昨今の断捨離ブーム。



曰く、『もったいない』というのは。


『まだ使えるのに捨てる』ことと、
『もう使っていないのに手放さない』こと。


この両方が『もったいない』ことなのだそうで。



前者に囚われるあまり、後者を失念していたのですなー、
従来の『もったいない』は。
手放すから、もっと必要なものが手元に来る。
手放すから、それが必要としている人の手に渡る。
だから、捨てることは必要なこと。
必要以上に手放さないのはよくないこと。



それって…捨てる神になれ、ってことだよね?



おお。
忘れられていた言葉に、立ち戻るときがきておる…!(笑)



『捨てる神あれば拾う神あり』。
『捨てる神』が、あって、なくなって、最近帰ってきた、ことば。
今までの数十年とこれからとでは、
若干使われるニュアンスが違ってくるかもですねー。




世の中で主流な考え方というのは時とともに移り変わっていくけど
たいせつなことはちゃんと帰ってくるんだなぁ、って。
図書館で整理術の本をテキトーに3冊ほど借りたら
年代によって書いてあることが真逆で、そんなことを考えましたとさ。