お慶びの余韻を

相方が、オヤツを求めて家中を徘徊しておりました。

「バームクーヘンがあるよ」

バームクーヘン。
その実体は、Ｋ子ちゃんの結婚式で頂いた、引き菓子。
次の日早速食べて、残りを冷蔵庫にしまっておいたのです。

返事代わりに、バームクーヘンを冷蔵庫から出す相方。
それを見て、紅茶用のお湯を沸かす私。

引き菓子は、新婚の２人からの甘〜いおすそ分けといいます。
であるからには、こちらも甘いひとときに浸りつつ頂くのが礼儀というもの。

ケーキ皿を出し、フォークの準備をしたところで、ふと相方に目をやると、

視力検査みたいなＣ形のバームクーヘンを、素手で掴んで
端からむぉりむぉりと頬張っておられるところでした。

ダッシュで行って半分もぎ取ってきた。
待つとか待たないとか以前に独り占めしようとするってお前どないなっとんねんな。