わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

詩のボクシング第6回兵庫大会本大会観覧レポート

さてさて。
宣言どおり行って参りましたよ、詩のボクシング第6回兵庫大会本大会!



むちゃくちゃ見ごたえのある戦いでした!!期待以上!!
どうして皆さんプロじゃないのか、シロートのたけちよにはさっぱり分かりませんよ!



朗読するボクサー(ポエマーとは呼ばないのです)にググッと引き込まれたり、
逆に立ち位置から幽体離脱する勢いでこちらのハートに迫ってこられたり、
生の迫力も相まってすっかり熱に浮かされてしまいました。
正直、かなりつかれた(笑)。



出場者は16人。
16人16様の自己表現がかわるがわる迫ってきて私の想像力を引っ掻き回すので、
途中から頭痛がしました。
へんずつうだーー。ちえねつだーーー。もうだめだーーー。






ゆかた祭りの喧騒に背を向け自転車キコキコ、到着してびっくり。
姫路文学館、目の前ラブホでやんの。
(そんな話はいいから)
住宅地の中なのに水と植物に囲まれた、広々と景色のいい建物でしたよ。



観覧は先着200名のところギリギリに到着したのでダメかと思ったんですが、
全然余裕で入れました。それはそれで悲しいんだけど…。
会場は、ちょっとフシギな雰囲気。ちょっぴりエクセントリックな匂い。
何がフシギって…


客席に猫耳メイドなにーちゃんが座ってるのに、誰も気にする気配が無い。


すっかり溶け込んでなじんでるんですよ。私も気にならなかったし。
きっと、自己表現の多様さを受容できる人ばかりが集まっているんでしょうね。
てっきり出場者かと思ったんですが、一体何者だったのであろう…?




明らかにシロウトのおっちゃんの司会で始まり、競技者(ボクサー)入場。
先ほど抽選が行われたらしく、トーナメントの番号順にボクサーが並びます。
下手の壁には、PC画面をプロジェクターで投影したトーナメント表が。
…ちょっ、見難いってばっ。
よく見ると、元々壁が穴開いてる素材でできてました。超低画素に見えるよ。



ジャッジ紹介。創始者の音声詩人・楠かつのり氏が来とりました。
後で話の流れで分かったのですが、予選から来てたっぽいよ。すげぇな創始者
作るだけ作って投げっぱなしじゃなく、ちゃんと運営するところに
詩のボクシングを広めよう、詩人を増やそうとする熱意が感じられます。



公認大会宣言やらジャッジ紹介やらその他諸々儀礼的なことを済ませて、
それではゴング!



ここでたけちよのスタンスを一応ー。


 ・シロウトなので、無理に解ろうとしない
 ・どっちが良かったとか、無理に判定をしない
 ・何も考えずに聞いて、心に残ればそれでよし


流されるまま、ですね、ハイ。
ぶっちゃけ言っちゃうと、私、何が詩で何がそうじゃないか解ってないし。



表現の方法は、本当にボクサーに一任されてる感じでした。
座っても良し、立っても良し。読んでも良し、覚えても良し。
読みたいけど手ぶらが良いって人には譜面台も用意してもらえます。
動いても良し、歌っても良し、小道具の使用もOK。ただし、楽器はダメ。



言うても、そこまで奇をてらった人はいませんでしたねー。
ラップ調の人がひとり居たぐらい?



一回戦をざっと見て思ったのは…
関西人らしく、オチをつけたい人が多いってことですね(笑)。
いや、解る!解るよその気持ち!!私でも同じことするもん!!
どっちかって言うと詩よりもショートショートに寄ってしまう気がするんですが…
いいのかな?ガンガンにオチつけても。良いなら私も参戦考えるぞ?(笑)



あと、男の人は世界を、女の人は日常を読むことが多い気がしました。
主婦の日常を読む人が3人も居たよ。
聞き易くて面白いジャンルだし好きなんだけど、あまりカブると、
等身大過ぎるのもどうなんだろう…っていう気になっちゃいますねー。
それとも、他参加者とのバランスを意識して作戦を立てる方が邪道なのかな?



一回戦の8試合が終わって、一旦休憩を挟みます。
ボクサーの方々も審査員の皆様も、フツーに観客と混じって話とかしてます。
うわ〜アットホーム〜。



室内は禁飲食だったので、やむなく外の喫煙所にてお茶飲んどったんですが、
ボクサーの方々が当たり前のようにお互いを褒めあっているのが印象的でした。
戦うべき敵、ではないんでしょうねー。お互いが。
同じ世界で研鑽し合う仲間って感じ。ええのぉ。



『対戦相手の詩が悪ければ、自分が勝てる』という価値観ではなく、
『自分の詩が評価されれば、もう1本発表できる。ダメだったら残念』という
価値観なんじゃないかと思いました。
負けても『コイツの所為で…』っていう感じが微塵も無いんですよー。
対戦相手って居るようで居ないようなもの。
でも居ないと盛り上がらないし、緊張感も減るだろうし…上手いことできてんなぁ。



休憩開けに、敗者復活の方の発表。休憩中に観客が投票した結果が解るのです。
見事投票で選ばれたのは…テンポの良い詩を早口で発表していた女の子。
お〜、彼女の詩はもっぺん聞いてみたいと思ってたから嬉しいなー♪



…ところで、敗者復活戦なのですが。
復活した彼女がトーナメントの何処に入るのかというと、


既に2回戦進出が決まった8名の中からくじびきで決まった1名と、
2回戦の枠を巡って入れ替え戦が行われるのですよ。


厳密に言うと、1回戦で直接対決を済ませた1名を除いた7名でのくじ引きなのですが…
これ、くじ当たっちゃった人は、本当に運が悪いよなぁ…。
くじさえ当たらなきゃこれから2回戦だったのに、1戦余分に増えちゃうんだもん。
勝てば予定どおり今から2回戦。負ければ1回戦敗退と同じ。メリット無し。



実際、負けてましたしね。くじ引いちゃった彼。
コレ、14人でトーナメント始めて、敗者復活入れて8名で2回戦…とかの方が良くねぇか?



とはいえ、『人前で詩を読むこと』が目的だとしたら、あんまし関係ないのかもしれませんなー、
朗読の回数さえ減らなきゃ。



以降、2回戦→準決勝→決勝、とノンストップ。
1回戦でそれほど印象に残らなかった人が、2回3回と聞いていくうちに
とても好きになってしまったりしていて、自分で驚きました。
1発勝負で終わりじゃない分、その人自身の価値観とか世界観とかが
どんどん見えてくるんですよね〜。
変えてきても「引き出し多いな」って思うし、同じ調子で来ても
「相変わらずキレイに仕上げてくるな」って思うし。



2回戦以降ぐぐっと、ボクサーの『人』が見えてきた、そんな印象。
1回戦敗退は、そりゃー惜しいなぁ、これなら…。



人に対する愛情とその人を知りたい欲求には密接な関わりがあると言いますが、
自己表現を繰り返し聞かされると…何だか好きになっちゃいますね!知らない人なのに!(笑)
困ったモンだ(笑)。



閉じた世界観を緻密に仕上げて、球体となって跳んでくるタイプ。
聞き易い言葉でするりと心に入り込んで、そこからどんどんジオラマを広げていくタイプ。
2つのタイプがあると感じました。どちらも好きだなー。



後になればなるほど接戦のようで、シロートの私にはどんどんジャッジが分からなくなり。
勝戦ウルトラマンVSピーマンは、ウルトラマンの勝利で幕を閉じました。



…ぁ、スイマセン。決勝2ラウンド目の、即興詩でのテーマの話です(笑)。



『手持ちの詩に無理矢理ウルトラマンを入れた』VS
『とりあえず物語を語りだしたけど既に詩ではない』の勝負にしか見えなかったんですが…
どんだけ難しいねん、即興詩。



優勝した男性の方が、総評で何故かけちょんけちょんだったのが、見てて何だか
ちょっぴり気の毒でした。
みんな、準優勝の方にばっかフォロー入れるんだもん。
最年長だったせいかなぁ…すっげぇ優しかったよなぁ、みんな…。
優勝したほうには課題ばっか提示しとったのに。肥やしにはなりますけれども。



優勝者は全国大会に兵庫県代表として行かれるそうです。
同時に、徳島で開かれる高校生大会の出場者の発表もあり、拍手で閉会と相成りました。
解散ー。



ボクサーの方も観客の方も、友人同士ライバル同士まだまだお話とかされてたんですが、
たけちよには知り合いがおりませんので、頭痛を抱えてそそくさと帰りました。



今日はお脳がいっぱい疲れたよー。
当然のように、帰って即寝落ち、相方の帰宅で目が覚めるのコースでしたとさ。