わたぼこ堂雑記帳

「お前のはのーみそはわたぼこりか!」 う~ん、さもありなん…そんなたけちよの日記。あなたのお役に立ちません。

瞼を閉じればあなたが

今日はお仕事オヤスミですし、家事も昨日のうちに目処が立ったので、
のんびりウィンドウショッピングでもしようかな〜?と
ウキウキしながら駅前へ行きました。



ぽかぽか陽気の中、ぴかぴかの自転車で、
鼻歌なんか歌いながら。



そしたら、何か。
人だかりができてるんですよ、駅前の一角に。



人通りも多い場所だし、大道芸人だったら嬉しいなー…なんて
一応良いほうに考えてはみるんですが、



どー見てもそんな空気じゃない。



心配そうなささやき声。



広すぎる輪の中心。



…嫌な空気に、覚悟しつつ自転車で乗り付けましたら。





男性が一人、輪の中心に大の字に倒れてました。





…いつも思うんですが、



心配そうに遠くから長いこと眺めてるぐらいだったら
その間に駆け寄って助けてやれって思うのは
少数派なんですかね?


その場の2〜30人が全員 Just Looking なんだもん…。



従兄弟の兄ちゃんがバイクで事故った時


「10mぐらい吹っ飛んで、地面と擦れて耳切れて血ぃ出てん。
 ったら周りの人たち、『派手な事故&耳血= 即 死 』と思ったらしくて、
 意識があるのに10分ぐらい誰も助けに来てくれんかってん。
 事故った傷さより、そっちのほうが痛かったって…」


とか聞いてるから、余計にそう思うのかもしれませんけど…。



(以下、心臓の弱い方は見ないほうが良いかもしれない話です)






その昔学生だった頃、心理学の授業で『援助行動』に関する話を
聞いたことがありまして。
ぁ、『援助行動』ってのは『困った人を見かけたから助けます』ちうヤツですね、
平たく言うと。



それによると、



【援助行動の発生する条件下において、


 他に援助行動を行っている者が居ないより、居る時の方が
 自らも援助行動に加わりやすい。


 他に援助行動を行っている者の数が多いほど、その傾向は顕著】



らしいのですよ。



多すぎると逆に加わらなくなるのですが
(「こんだけ人数居るなら自分は行かなくてもいいよね?」っちうことですな)、
1人目より2人目、2人目より3人目の方が、援助行動に加わることに対する
敷居が低いのらしいです。
車椅子の人が段差を越えられなくてキョロキョロしてる場面を思い浮かべると
分かりやすいかも。



つまり、


最初の1人が一番勇気が要る。


逆に、


すぐ駆けつける1人目は、それだけで価値がある。


んですよね(笑)。
1人目になるには勇気が出なかった看護師の卵さんとか、
要救護者を運べる体力のある男手とかが寄ってきてくれますので。



ちう訳で、応急救護なんか高校の授業と免許取る時ぐらいいしか
やらなかったたけちよは、こーいう場合いつも


『真っ先に駆けつけてオロオロする役』


を買って出てるのです。そこ、役立たずって言うな。




とはいえ、119番と連絡を取るぐらいならできますので、携帯片手に
場所とか状況とか話しながら、要救護者に近づきます。
えぇっと、まずは意識の確認しなくちゃだから、顔の見える位置に…



!!!




目ぇ、開きっぱなしだよ…!!
鼻血すごいよ…!!
ピクリとも動かないよ…!!





こっ、怖い…怖すぎる……!!


(((((( ゚д゚|||))))))












(TT_TT)ジョー




手の届く距離までは近づけませんでした。もうギブアップ。
やっぱり役立たずと呼んでくださって結構です。役立たずでしたっ!



「意識の確認をしたいんですが…怖くて近づけません…」


と電話の向こうの方に正直に言ってる間に(カッコ悪!)、
人垣から颯爽とおねえさんが現れ、首筋で脈を診て…



…すぐに心臓マッサージを始めました…。



嗚呼、やっぱし意識どころの話じゃなかったのね…(T_T)
カッコイイよおねえさん。おねえさんカッコイイよ。すげぇよ。



みる間にもう1人おねぇさんが駆け寄ってきて気道を確保し、
更にもう1人おねえさんが寄ってきて衣服を緩め、
たけちよがオロオロしてる間に救助体制が整っていきました。
キレイな手や服が、見知らぬ人の血で汚れるのも構わずに。



もうね、1人目になるだけで価値があるとか思ってる自分が
ムチャクチャ恥ずかしい生き物に思えてくるね!!
そりゃ見てるだけよか良いんだろうけどさ!解ってるけどさ!?



電話口に、現場の状況と正確な現在位置を報告するので精一杯でした…。
電話だって恐らく第一報ではないと思うんですが…役に立ったと信じたい。



じきに警察官が、後に救急車が来て、男性は無事(?)搬送されていきました。
状況がよく解らないらしく、現場はすぐにKEEPOUTになりました。
私も気になるし…朝刊に何か載ってると良いのだけど。




救急車への引渡しが無事完了したので、予定どおりウィンドウショッピング…
…などできる気分な訳も無く。
ぐったりした気分を抱えて家に直帰しました。




思い出して寝付けなくてこんな時間になるぐらいには、怖かったです…。